「日本酒がうまい!」推進委員会

初心者必見!日本酒の楽しみ方
~伏見酒蔵めぐり編~

日本盛

チャレンジし続けた130余年!

1本につき、日本酒が18万リットルも入る巨大なタンク
1本につき、日本酒が18万リットルも入る巨大なタンク

「灘の酒造メーカーとしては歴史は浅い方なんです」と切り出した広報グループ長の桑名 寛さん。それでも1889(明治22)年創業、2019年に130周年を迎えた老舗酒造メーカーです。
日本盛でここ数年注目を集めているのが、生原酒を常温で9か月間保存できる「生原酒 ボトル缶」。生原酒は加熱殺菌していないため、冷蔵保存が求められ、しかも開封したら早めに飲まないといけないなど、デリケートな日本酒。一方で生原酒ならではの味わい、香りは格別で、日本酒好きはわざわざ蔵元に足を運んで買い求めるほどのおいしさが魅力です。そんな生原酒をボトル缶での販売を可能にしたアイデアと技術力こそ、日本盛のストロングポイント!

SAKARI Craft、煉瓦館を案内してくれた桑名 寛さん
SAKARI Craft、煉瓦館を案内してくれた桑名 寛さん

桑名さんは「新しい会社だけに常にチャレンジをしてきたのが当社の大きな特徴。どんどんアイデアを出し合って、新たなことに挑戦を続けてきたからこそ、『生原酒 ボトル缶』も生まれました。さらに、当社は社員が200名弱。全員、顔と名前が一致するぐらいの規模感なので、思いついたアイデアを上司にも相談しやすいんです。それこそ、『ちょっと、お話良いですか?』ぐらいの温度感です」と笑います。
また注目したいのが、BEAMSとコラボレーションした「にほんしゅき」、モンベルとのタイアップ商品の展開など、異業種との関係性を築いている点。ファッションやアウトドアなど、違った側面から日本酒のファンを増やす取り組みにも積極的です。
比較的自由な社風で、自分の意見も言いやすい環境だからこそ、画期的な日本酒商品はもちろんのこと、化粧品や健康食品など日本酒以外の商品もたくさん生まれたというわけですね。

日本酒もオーダーメイドする時代!?

SAKARI Craft。丹波杜氏が自分だけの日本酒造りをお手伝い
SAKARI Craft。
丹波杜氏が自分だけの日本酒造りをお手伝い

そんな日本盛でユニークな取り組みが始まっていました。それが「SAKARI Craft」。2021年に新設された手仕込みの工房で、なんと日本酒のフルオーダーメイドが可能!酒米から選び、米の磨き具合を決め、味作りの方向性を定めていく。まさに一から自分だけの日本酒を造れるわけで、大手酒造メーカーかつ、チャレンジ精神旺盛な日本盛ならではの取り組みだと感じました。

日本酒造りについて熱心に教えてくれた、製造部長の原 健一郎さん
日本酒造りについて熱心に教えてくれた、
製造部長の原 健一郎さん

「SAKARI Craft」での酒造りはすべて人の手によって行われます。フルオーダーメイドなら、自ら日本酒造りを体験することもできるというから、完成した時の喜びはひとしお!瓶の色の指定に加え、ラベルもオリジナルで制作できるので、例えば会社の周年記念、You Tubeの企画など、さまざまなシーンで活用できそうですね。
また、「SAKARI Craft」は全国新酒鑑評会など、コンテストに出品する日本酒造りにも活用されています。この手仕込み工房は、さらに酒造りの技術を磨き、よりおいしい日本酒を造るための研究・開発拠点というわけです。

酒蔵通り 煉瓦館内にある直営店。しぼりたて生原酒は地元の人もよく買いに来るそう
酒蔵通り 煉瓦館内にある直営店。
しぼりたて生原酒は地元の人もよく買いに来るそう

工場横、酒蔵通りに面した場所にある「酒蔵通り 煉瓦館」も必見です。その場でサーバーから瓶詰めしてくれる新鮮で香り・味わい豊かな、しぼりたて生原酒の量り売りをはじめ、煉瓦館でしか購入できない限定商品も用意。
魚介の吟醸酒粕漬け、豚肉の糀焼きなど酒造メーカー直営ならではの料理がそろう「日本料理 花さかり」、吹きガラス体験、サンドブラスト体験も楽しめる「ガラス工房やまむら」を併設し、買い物以外の楽しみもいっぱい♪

社名を日本盛株式会社に変更した2000(平成12)年にオープンした酒蔵通り 煉瓦館
社名を日本盛株式会社に変更した
2000(平成12)年にオープンした酒蔵通り 煉瓦館

「もっと、美味しく、美しく。」をスローガンに日々、新しい“なにか”が生まれている日本盛。今後も業界の垣根を超えた取り組み、新商品など、今までなかったモノ・コトを発信していってくれそうです。

●酒蔵通り 煉瓦館

住所:
兵庫県西宮市用海町4-28
電話:
0798-32-2525
開館時間:
11:00〜21:00(店舗により異なる)
休館日:
火曜※水曜は売店のみ営業